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批判されても、批判されても……貧困ビジネスに立ち向かう理由(Business Media 誠)

 年越し派遣村の村長・湯浅誠――。彼のことについて、詳しく知っている人は少ないかもしれない。自分のためにだけに生きるのではなく、生きることが困難な人たちのために生きる男が、過去を振り返った。【土肥義則】

【他の紹介写真を含む記事】

――2008年の年の瀬、年越し派遣村の村長として、突然1人の男が登場した。活動家・湯浅誠――。派遣切りなどによって住むところを失った人たちの前で、湯浅はマイクを持ち語り続けた。その姿をテレビなどで見て「この男は一体、何者なんだ?」と思った人も多いのではないだろうか。

 貧困をなくそうと活動を続ける湯浅は、一体どのような人物なのだろうか。彼の素顔に迫ってみた。

 小さいころから勉強は嫌いではなかったですね。母親が小学校の先生だったこともあり、教え方がうまかったのでしょう。うまくのせられながら、勉強をしていましたね。

 大学は1年浪人して、東京大学文科I類に入学しました。入学する前から「人に雇われる仕事には就かない」と、無根拠に決めていました。「弁護士にでもなろうかな」と漠然と思っていたのですが、そのための勉強はほとんどしませんでした(苦笑)。大学の授業もサボってばかり。学校には行かず、児童養護施設で子どもたちに勉強を教えるという、いわゆる学習ボランティアをしていました。

 わたしの兄は障がい者なので、小さいころから自宅にボランティアの人が出入りしていました。兄のために来ていただいたのですが、わたしも一緒に遊んでもらっていたので「大学生になれば恩返しをしよう」と決めていました。子どもたちの勉強を見るのは、週に1回ほど。ただボランティア仲間と仲良くなり、彼らと会うために頻繁に通っていましたね。

 また1年生のときの夏休みに、中南米に旅をしました。メキシコから入り、コスタリカ、ペルー、ボリビアなどを回り、ブラジルに。なぜ中南米に行ったかというと、あまり日本人がいないと思ったから。しかし当時は円高ということもあってか、日本人はたくさんいましたね。

 中南米に足を踏み入れたとき「貧しい国だなあ」という印象を受けました。ペルーやボリビアで食べたパンはとても固く、おいしくありませんでした。貧困地域も多くあり、ブラジルに着いたときには「とても豊かな国に来たなあ」と思いましたね。ブラジルにも貧困地域がたくさん残っていましたが、ペルーやボリビアなどと比べクルマはきれいで、パンもおいしかった。いまは貧困問題を解決するために活動をしていますが、当時はまだ「貧しい国だな」という印象を受けただけ。そこから国内での活動に結びついたわけではありません。

●ホームレスへの支援活動

 結局、大学4年間はボランティア中心の生活を送っていました。大学4年生のときに90単位を取得しなければいけないのに、60単位しか取れませんでした。なので留年。そして5年生のときに「大学院に行って、将来は学者になろう」と決めていました。大学院では日本政治思想史を専攻しましたが、そのころからホームレスの支援活動を始めました。

 渋谷で、ホームレスの人たちに雑炊を作って、配ったりしていました。それまで渋谷には遊びに行ったことはありましたが、ホームレスの人がたくさんいるということを知りませんでした。わたしの視界に彼らの姿は入っていたと思うのですが、脳みそまできていなかったのでしょうね。そのころのわたしは見たいものしか、見ていなかったのでしょう。

 だんだんホームレスへの支援活動に力を注ぐようになり、大学院には通わなくなっていきました。結局、博士論文は書かなかったので、大学院博士課程の単位取得退学となりました。

●相手との“接点”を見つける

 30歳(2000年)のころには、「貧困層(当時は『生活困窮者層』と呼んでいた)が増えてきているな」と感じていました。貧困層はホームレスだけではなく、DV被害者だったり、障がい者だったり、多くの人たちの間に広がっていましたね。

 どのようにすれば、この問題を多くの人に分かってもらえるのだろうか――。そこでわたしたちは、ボランティア活動をしている人たちとのネットワークを広げていき、2000年に炊き出し用の米を集める「フードバンク」を立ち上げました。2001年にはホームレスを支援する「自立生活サポートセンター・もやい」を設立。もやいではアパートなどで新生活を始めようとしている人たちに、連帯保証人を提供しています。なぜ連帯保証人を提供するかというと、その人たちとの“接点”ができると思ったから。ホームレスの人たちだけではなく、DV被害者でもアパートを借りるとき連帯保証人がいなくて困っている人がたくさんいました。

 いまでも連帯保証人を提供する団体というのは、ほとんどありません。なぜいないかというと、リスクが高いから。わたしたちはなぜリスクが高いと感じなかったかというと、それまでホームレスの人たちと付き合いをしていたから。ただ彼らの連帯保証人になることで、このような批判がありました。「ちゃんとした生活ができないからホームレスになったんだ。彼らの連帯保証人になっても、みんないなくなる。あっという間に、もやいは破産するぞ」と。

 しかしこのような批判に対し、わたしたちは全く違った考え方をしていました。ホームレスとの付き合いがあったので、「そういう人たちではない」と。なのでアパートに入居できれば、きちんとした生活を送れるという確信がありましたね。実際、9割以上の人たちが「自立」した生活を送っています。

 支援活動の難しさは、相手との“接点”を見つけること。わたしは大学院に通っていましたが、そこでは相手を論駁(ろんばく)することが大切だと教わりました。議論して、相手を言い負かせた人が“偉い”といった感じ。もちろん議論の力はものすごく鍛えられるのですが、一般社会でそれをやっても仲間は増えません。違いを見つけるよりも、同じことを見つけることが大切。例えば、さまざまな運動体がお互いにいがみあったりしていますが、少し離れたころから見ると、ほとんど違いが分からない。それなのに、なぜかお互いの違いを際立たせている。つまり接点を見つけようとしないと、四分五裂(しぶんごれつ:秩序をなくしてバラバラになること)して、かえって力を失ってしまうのではないでしょうか。

 なので、わたしは意識的に違いを見つけようとせず、できるだけ接点を見つけるように心がけています。

●真面目に働いても貧困に

 35歳(2005年)のときには、『あなたにもできる! 本当に困った人のための生活保護申請マニュアル』(同文舘出版)という本を出しました。そのころ、全国から相談がきていましたが、地方の人に「東京へ来い」とは言えません。「議員に頼まなくても、生活保護の申請ができるように」と思い、書きました。あと本を出したことで、人脈が広がりましたね。それまでホームレスの人たちやボランティア活動をしている人たちとの付き合いが中心だったのですが、本を出してからはさまざまな分野で活躍している人たちと知り合うことができました。

 そして36歳のときには「貧困ビジネス」という言葉を考えました。多重債務者、生活保護受給者、派遣労働者、自殺者、ホームレス――これらの問題にはすべて貧困が潜んでいます。貧困を再発見してみると、悪質なビジネスが貧困層をターゲットにして利益を手にしていることが分かりました。こっちを見つければ、こっちも見つかったといった感じで。

 それまで貧困についてはあまり目を向けられていませんでしたが、「ワーキングプア」や「キヤノンの偽装請負問題」が報じられるようになって、世の中の動きが変わってきました。さらに貧困に目を向けてみると、「北九州市の餓死事件」「人材派遣会社グッドウィルのデータ装備費問題」「ネットカフェ難民」といった問題が浮き彫りになりました。それでも政府や大メディアは「生活が苦しくなったのは自分たちのせいだ」といった見方が強かったですね。いわゆる“勝ち組”の人たちが集まる組織なので、貧困問題を理解できなかったのかもしれません。

 ところが2008年、派遣切りによって多くの人が会社を解雇されました。この問題が起きたことによって「真面目に働いていれば、貧困者にはならない」と言えなくなってしまった。どんなにちゃんと働いていても、クビになるときにはクビになってしまう――。このことがハッキリしてしまったので、それまで「生活が苦しくなったのは自分たちのせいだ」と言っていた人たちが黙ってしまった。そして「派遣という働き方でいいのか?」「セーフティーネットのあり方はこれでいいのか?」といった議論ができるようになりましたね。

 「真面目に働いていれば、貧困者にはならない」という理屈は、“社会は何もしなくてもいい”ということを正当化するために使われます。この理屈で政治家は乗り越えようとしていたのですが、さすがに言えなくなってしまいましたね。

●批判は同じ内容ばかり

 活動を始めたときから、同じような批判がいまだにありますね。ホームレスの人たちを「甘やかしてどうするんだ」「本人のためにならない」「そんなことをやるんだったら、自分の家に連れていけばいいじゃないか」「税金がムダになる」――。こうした批判があることは分かっているのですが、やはり相手との“接点”を増やすしかないと思っています。

 偏見というのは理屈で説得できるときもありますが、やはりなかなか難しい。例えば「オレは生活保護を受けながら、パチンコばかりしている奴を知っている」といった指摘があります。しかしこの人が知っているのは、1〜2人のみ。わたしはこれまで何万人もの生活困窮者と接してきているので、そういう人はごく一部しかいないことを知っています。ただ人間というのは自分の経験の範囲でしか物事を考えられませんから、説得するのは難しいですね。理屈で説得できるのは限界があるので、やはり批判する人たちとホームレスの人たちが出会う場を作ることが大事だと思っています。

 中高生が炊き出しを手伝ってくれたりすると、8〜9割の生徒さんは同じようなことを言います。「なんだ、普通のおじさんじゃないか」と。会う前はホームレスに対するいろんな偏見が膨らんでいるので「なにを考えているのか分からない」「お酒におぼれて、とんでもない奴ら」といったイメージが膨らんでいます。しかし実際に話してみると、自分の親父とあまり変わらないことが分かったりする。そこで「なんだ」と思うわけですが、その「なんだ」と思うことが大切なのではないでしょうか。

●財産は「人」

 わたしの財産は「人」。活動というのは人――それ以外にありません。お金はもうかりませんし、権力を手にすることもできませんし、権威も付きません。なので、わたしにとっての財産は人ですね。ただ自分に人を引き付ける力があるとは思っていません。繰り返しになりますが、わたしは相手との接点を見い出そうとしているだけ。ただし、こちらが接点を見い出そうとしても、相手にその気がないと無理。お互いが接点を見つけようとすることで、なんとかこれまでやってきたといった感じですね。

 活動を続けている理由ですか? それは2つの理由があります。1つは「面白い」ということ。例えばホームレス問題や貧困問題というのは、これまであまり問題視されなかった分野。自分たちがやっていくことで道ができていく――つまり新しい道を作る面白さがありますね。もう1つは日々相談を受けていると、あまりにもひどい話がたくさんあって、そういうものに対する“怒り”があります。せっかく1人の人間として生まれてきたのに、なぜヒドイ目に遭わなければいけないのか。そのような世の中は生きにくいと思うので、わたしには“おかしいな”という怒りがあります。

 「怒り」というと短気な性格のように思われますが、わたしはほとんど怒ったりしません(笑)。自分がちょっと怒っていても、周囲の人たちからは怒っているように見えないようですね。感情の表現があまりうまくないのかもしれません(笑)。

 35歳のころ、1つの目標がありました。それは「日本に貧困問題がある」ということを社会が認識することでした。このことについて政府は昨年、貧困率を発表したので、とりあえず目標は果たせたかなとも思っています。しかし、これからは貧困率を下げていかなければいけません。どのように下げていけばいいのか――その解決策はまだ見い出せていません。

 いずれにせよ、まだまだ道半ば。その道半ばというのが、30%なのか、40%なのか、それとも70%なのかというのは、自分では分かりません。この問題を改善するには一生かかると思っているので、活動はずっと続くものと覚悟しています。

――2009年10月、湯浅は鳩山政権に請われて政府入りしたものの、年末年始の対策が一段落したとして、翌3月に辞任した。しかしこの5月、彼の名刺に再びこの肩書きが記されることになった。「内閣府 参与」――。再起用された彼は、どんな手を打ってくるのだろうか。政府の中でも、1人でも多くの人と“接点”を見つけることができれば、面白くなるかもしれない。(本文:敬称略)

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